リハビリ専門職の認定資格取得は必須か

臨床

認定理学療法士を取得している筆者が伝える
認定療法士の取得と更新について。

認定療法士を取得することについてどのように思いますか?

第3者評価として必要と考えますか?
取得しても意味がないと感じていますか?

日本理学療法士協会が設けている認定理学療法士制度は、
専門性を高めていくことを目的として、生涯学習として自己研鑽を進めています。

しかし、魅力を感じていない理学療法士が多いと感じています。
では、なぜ魅力を感じないのでしょうか?

今回は認定理学療法士を取得している筆者が現状と取得メリット、
取得方法や更新について解説していきます。

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認定療法士の制度と役割

認定理学療法士の状況について、
2019年時点での認定理学療法士の取得者数(実数)は総会員数が123,138名に対して、
取得者(実人数)では、7,641名となっています。

認定理学療法士の制度ができ年数が経過していますが、
あまり増えていない状況となっています。

認定理学療法⼠制度の⽬的
本会における認定・専⾨理学療法⼠制度は、⾝体に障がいのある者、あるいはその恐れの ある者を対象に⾏う理学療法において、個⼈の活動と⽣活機能の向上および健康増進を促 進して社会参加を⽀援するため、特定の理学療法分野における良質なサービスを提供する ために、学術領域における専⾨性・社会、職能⾯における理学療法の専⾨性 (技術・スキル)を備えた理学療法⼠を社会に送り出し、国⺠の保健医療福祉の増進に寄与することを⽬的とされている。

なぜ認定理学療法士取得に向けて増加していかないのでしょうか?

それは職場への待遇面などメリットが感じられないことが原因でしょうか・・・
取得する時間などが大変なのでしょうか・・・

認定理学療法⼠の役割
各領域において、社会・職能⾯における理学療法の専⾨性向上(技術・スキル)に資する ことを⽬的とし、職能に資する実践理学療法学の推進、診療報酬区分に準じた疾患別リハビリテーションや、介護予防・健康増進など職 能・臨床実践に対応するための専⾨性の維持・向上。

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認定理学療法士の給料

認定理学療法士を取得しても、診療報酬で算定できることはありません。
病院・施設の収入が増えるわけでもなく、当然待遇が良くなることもありません。

事務長や施設長も認定理学療法士の資格制度も知りませんでした。

発信が少ない?・・・職場のスタッフが発信することにも限界があります。

資格取得を応援している職場は、給料にプラスされている職場もあるかもしれません。

医師などは認定医制度や専門医制度が存在しています。
各医院の待合室などで、医師の略歴や認定医取得証書が飾られています。

認定医や専門医を取得しているということで、患者さんからの信頼や安心感などから、
受診者数が増える要因でもあると思います。

しかし、我々が認定理学療法士を取得していると聞いて、病院に来たり入院する
患者さんはいますでしょうか?

「リハビリ」というキーワードは、世間にも浸透してきています。
しかし理学療法士や作業療法士はまだまだ認知度が低く、ましてや「認定理学療法士」では、
調べないとわかる方はいません。

「リハビリ専門」ですと言うほうが認知も高く、患者さんや世間の反応がいいですね。

社会的使命感や自己成長欲求から取得するメリットを考える。
セラピスト養成校へ入学したときに、誰かのために・・・と
想い入学した時のように。
社会的使命感をもっていたと思います。

誰かのために、自己研鑽として・・また資格を取得することで自信や
モチベーションにつながる。

筆者が認定理学療法士取得に至った経緯は、自分自身の知識や好きな領域を
再認識できる時間となり、専門的な領域を勉強しようと思い、取得に至りました。

認定理学療法士を取得するために、学会や講習会参加によるポイント取得や
クリアする項目があります。
そこで得る知識は、今後の臨床経験にも生かすことができます。

自己成長欲求から、セラピストとして、「今の自分には何かが足りない・・
だから成長しないといけない」と思い、好きな領域や専門的な領域から、
成長してみようと考えて、認定取得に向けて一歩踏み出してもいいと思います。

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認定理学療法士の取得と更新方法

認定理学療法士はいくつかの項目をクリアする必要があります。

新人プログラムを修了して専門分野の登録から、
講習参加によるポイント数の獲得や症例レポートの提出まで。

●専門分野の登録
新人教育プログラムを修了して、専門分野の登録を行う必要があります。
日本理学療法士協会のマイページより登録できます。

登録した専門分野領域の認定理学療法士を今後取得することができます。

登録できる分野はいくつでも可能ですので、興味がある領域をいくつも登録して
いてもいいです。ちなみに私は3つの領域を登録しました。

認定理学療法士の取得試験を受けられるのは、登録後2年経過からになります。
2年はかかってしまうので登録は早めにしましょう。

●学会、講習会に参加してポイント獲得
学術学会や講習会に参加してポイントをためる必要があります。
ポイントは全部で160ポイント。

必須参加の講習会もあります。

1)認定必須研修会(20ポイント)
専門分野ごとに決められた講習会です。
各地域で日程も決まられています。

2)協会指定研修(40ポイント)
専門分野に関係なく、共通して受講する必要がある研修になります。
各地域で日程も決まられています。

3)その他学会、講習会(100ポイント)
講習会に参加するとポイント獲得されます。
学会・講習会によって、獲得できるポイント数が異なります。
学会発表や症例発表もポイント獲得できます。

また臨床総合実習の担当したことで、申請すればポイント獲得できます。

●症例報告10症例
取得を目指す分野の症例報告を10症例の提出があります。
症例レポートの書き方も見本がありますので、参考してください。

日本理学療法士協会マイページの認定理学療法新規申請方法

●認定試験
認定試験を受けることになりますが、選択問題(マーク形式)となり、
指定必須研修会の講義内容から試験が出題されるようです。

運動器や脳卒中の領域では、症例内容の問題が出ています。

認定理学療法士更新

5年で更新となります。

認定年月日の確認しておいてください。
マイページの管理画面にも記載されています。

ポイント160ポイント
更新領域のポイントが必要になりますので、
領域は必ず確認する必要があります。
学会参加はすべての領域で認められるポイントとなっています。

症例報告10症例
レポート内容に不備がないように、見直しましょう。
領域に即していない内容や字数が少ないなど・・・

まとめ

認定理学療法士を取得している筆者が取得と更新方法について解説しました。

認定理学療法士の数は少なく、現在メリットがあるともいえないですが、
医療従事者として、自己研鑽は必要です。

セラピストとして認定資格が必ず必要とは感じませんが、
知識・技術を身に着け臨床業務を行う必要はあります。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

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