希望の転職先に採用されるためのコツと
医療領域・介護領域の働き方や内容をまとめてみました。
セラピストの将来性
セラピストが誕生したのが1966年。50年以上が過ぎ医療領域だけでなく、
介護分野やいろいろな領域でセラピストが求められるようになりました。
協会に所属している会員の多くは病院に勤務していました。
現在では高齢化の影響もあり介護福祉施設に在籍する人数が増えています。
また看護訪問ステーションやリハ特化型のデイサービスの需要も増え、
そのほか、教育分野や介護予防における業務などの需要もますます広がっています。
医療・福祉業界での有資格者は増え続け、社会経験者や多様なスキルを持った人達が
資格保持者となり、またセラピストの活躍の場も広がっています。
セラピストの数は、年々増えています。特に理学療法士は毎年1万人以上の国家試験合格者が
出ています。将来セラピストの数と職域、また求められるセラピストになるために自己研鑽や
人間性を積み上げていく必要もあります。
転職をするタイミング
転職を考えるタイミングには大きく分けて2つあります。
年齢の面からのタイミング、転職に適した経験年数のタイミングです。
年齢的な転職のタイミング
現在、理学療法士の有資格者が一番多いのが20歳代。
30歳までの若い年齢層に集中しています。
それぞれの年齢によりライフステージに変化が起きたときます。
結婚や妊娠出産などで、環境が変わる場合に転職のタイミングとなります。
働き改革を導入している職場も多くなりました。
管理職をしていた時の法人では、妊娠したスタッフは介助が少ない患者を担当するなど
身体への負担を考慮した働き方をしていました。
保育所に預けながら働くセラピストには、「お子さんに発熱がありますので、お迎えに来てください」と、いつ保育園から電話がかかってくるかもしれません。
そのような職場では、どのような対応をしてくれますか?
同僚や若手スタッフは、「いいよ」と送りだしてくれます。
役職者の反応はどうでしょうか?
仕事重視で物事を決めている職場では、転職を考えてしまいます。
休みの取り方などの物事の決め方・ルールが法人全体で決めているのか?
リハビリテーション科だけのローカルルールで決まられている場合もあります。
所属長に直接確認してもいいですが、
やはり聞きにくい人は、主任クラスか先輩に確認してみましょう。
そのような物事の取り決め方など、もやもやが積み重なり、
職場環境を変えようと転職するタイミングかもしれません。
収入アップやキャリアアップを目指す転職であれば、年齢にこだわる必要はありません。
大抵の場合、勤務実績や勤務年数が評価されます。
経験者であれば、何を行ってきたのか?
リハビリテーション科内での役割を聞かれます。
指導者経験の有無(後輩指導・学生指導)や
勤務調整や患者振り分け担当などの実績があれば、アピールできるポイントとなります。
若手のスタッフの転職は経験が不十分な事もあり、
中途採用で求められる即戦力の実力が認められず、採用の可能性が下がるかもしれません。
若手スタッフが転職するときに必ず聞かれるのは、なぜ転職するのか。
転職の動機についてです。
以前の職場と転職希望先との違いをはっきりしておきましょう。
若手の面接をしていると、「あまり変わらないし、よく似た環境なのに・・・」と
感じた経験をしたからです。
以前の職場との違いから、転職先を選んだ理由をはっきり伝えましょう。
面接をする役職者はいろいろな経験をしています。いろんなスタッフを見てきています。
長く働く職場環境を見つけたら、しっかりと転職したいと思った意思を伝えましょう。
退職を伝えるタイミングと時期
転職のタイミングと同時に、現職へ退職希望を伝えるタイミングも大切です。
勤務先によっては、服務規定によって退職までの期間が決まっているところがあります。
一般的には、1~2カ月程度前に退職を伝える場合がほとんどですが、
引き継ぎ等を考えると、3か月前が無難でしょう。
転職活動の期間をしっかりと考えたうえで、適切なタイミングで退職届を出しましょう。
退職届は法人により、専用の用紙に記載することがありますので、確認しましょう。
ドラマのような「退職願」を提出することは、勤務した医療法人ではありませんでした。
大体口頭で伝え、退職日の40日前ぐらいに退職者専用の用紙に氏名や退職日などを記入して、
所属長や科長へ提出となります。
退職の時期は、年度末3月や7月、12月のボーナスを受け取ってから、
退職をする人が多かったです。
ボーナスを受け取るなど収入面から考えた退職時期のタイミングも大事です。
法人により退職者のボーナス査定はどのようになっているのかは、
法人によりそれぞれですが、査定アップはかなり難しいです。
マイナス査定か維持で賞与査定となっていました。
転職のコツ:転職する目的
転職を考える理由は人それぞれですが、新たな勤務地を探すためには、
転職によって得たい目的を明確にしておく必要があります。
収入増を目的とする転職の場合
転職を考える理由の1つとして収入面の問題。
給与アップを求めた転職の場合、基本給がより高い設定となる職場を探すのはもちろん、
今後の昇給率についてもチェックしておく必要があります。
求人票に基本給○○万~○○万と記載されている場合が多いですが、
経験者は少し基本給を考慮してくれますが、上限記載されている基本給が
もらえない場合がほとんどです。
基本給が高くても、昇給がなければ、生涯年収に大きな差がないかもしれません。
転職時の基本給が少なくても、昇給率や額を確認しておきましょう。
コロナ禍で法人収入が減っており、賞与に影響が出ています。
賞与の有無が記載されていないケースもあるため、
どの程度の収入増が見込めるのかをしっかり吟味したうえで選択する必要があるでしょう。
人間関係や働き方といった環境面での転職
やりがいを持って長く働き続けるためにも、職場環境を変えてみたいと考えることもあると思います。
人間関係や勤務体系といった環境面の変化を求めるのであれば、
何を優先して転職先をきめるのかを事前に検討しておきましょう。
例えば、残業のない職場を選んだつもりでも、就業後の勉強会や症例検討が多く、
結局、帰宅時間は変わらないという結果になります。
一方で、スキルアップを求める人にとっては、こうした職場は理想的といえるでしょう。
研究発表や学会発表を毎年行っている。または教育機関との関わりが多く、県士会など協会の
役割に力を入れている職場も多いです。
人間関係のわずらわしさを解消したいと考えている人は、介護福祉領域での職場。
人数の少ない職場を選んで、かえって負担がかかるかもしれません。
毎日同じ人と共に働くこととなるため、ある程度人間関係など柔軟に対応できる人
なら問題はないでしょう。
急な休みにも対応ができる職場は、スタッフが多く患者数をある程度コントロールできる
回復期や急性期となります。
回復期病棟は、スタッフ数を確保しており代診や単位数を調整できる場合が多いからです。
どんな目的でも、その内容が明確であれば、候補となる転職先の絞り込みができます。
優先すべき条件をまとめておくことが大切です。
まとめ
転職の目的と同時に、やめたい理由も明確にしておきましょう。
あいまいな理由で転職しても、次の職場でも同じような悩みを抱えるかもしれません。
転職時には気にならなかったことや年数を重ねるうちに、
ある年齢から昇給がなくなったり、賞与がカットされたり給与面に
不満を感じる場合があります。
シフト制が長くなれば、肉体的・精神的な負担も大きくなることもあります。
待遇面ではどれを重視するかによって、転職先に求める条件が異なります。
休日を増やしたいのであれば、パートやアルバイトでの勤務を選ぶのも一つです。
やりがいがない、やりたい仕事内容とは異なる。
臨床の現場でやりがいを感じられず転職を検討する人もいます。
急性期病院勤務では、スキルを試せると考えていたのに、ICUやHCUは担当制、
勤務年数によって年功序列ができていて、なかなか担当できないというケースもあります。
回復期病院では、スタッフ数が多く脳血管疾患を経験することが少なく、
下肢装具に携わったことがないなどのケースもあります。
自分自身がやる気を持って長く取り組める仕事を探す場合には、
自分自身がどんな働き方にやりがいを感じ、どんな臨床だったらモチベーションを
維持できるのかを考えたうえで、転職先を選ぶ必要があります。
転職先の勤務内容についても、事前に調査しておきましょう。
どんなに条件に近い転職先を見つけても、求人先が求めるレベルの知識・技術が
身についてなかったり、経験不足では採用の可能性は低くなります。
高い理想だけを掲げるのではなく、まずはこれまでの経歴や取得した資格をまとめながら、
転職先で何ができるのかを考えてみましょう。
それが面接時のアピールとなります。
大切なのは、いままでの経験や働き方で「転職希望先にどう役に立てるか」
「自分が採用されると、どのようなことができるのか」です。
自分自身の足りない部分も伝え、「何が足りないから、転職して成長できる部分である」と
アピールすればいいのです。
無理に自分自身を装っても、どこか不自然さが出ます。
素直な自分で、また自分の言葉や経験した内容でアピールしてみましょう。
この記事が転職を考えているひとに少しでも参考になれば幸いです
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